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教えて住職!!心のおきどころ

教えて住職!!心のおきどころ

Wellness Life Channelの新企画「学びの種」は、様々な方にインタビューを行い、「生活を快適にする知恵と知識」をお伝えしていく企画。

第1弾のインタビューは、寶樹山 常在寺 駒野教晴住職

「心のおきどころ」で変わる、私の世界観

東京都世田谷区の閑静な住宅街にある寶樹山 常在寺。

1506年室町時代から続く由緒あるお寺の第36代 駒野教晴住職。悩みや苦しみの渦中にいる人々の心の奥深くに救いの言葉を届けることができるかを模索し続ける若き僧侶から“心身ともに健康で穏やかに生きる方法”をみなさんにお伝えしていくシリーズ。

継ぎたくなかったお寺の仕事

「一人っ子長男でお寺の後継として生まれたから、幼い頃からお坊さんになるんだよと言われ続け、特になりたくない理由もないが、やりなさいと言われると年齢も相まって親に抗って高校も大学も仏教とは関係ないところに進学し、髪も染めてピアスもあけていた」と爽やかに話し始める駒野住職。

大学を卒業する時に進路をどうしたのか聴いてみると…

「父親と真剣に話した。自分は多くの壇家さんのおかげで成長し、私が継がないと多くの壇家さんが大変なことになるので、継がせてもらう。でも、諦めが悪い自分がいて、2年間だけ自由にしてほしいと。やりたいことが2つあった。1つは英語を習得すること。2つ目は出家してお坊さんの世界に居続けるので一般の人と価値観がずれないように1年間だけ違う職業に就きたかった。現実逃避もあった。」

出家前の2年間
海外留学とホテルマンで世の中を知る

最後のあがきか。大学卒業後、1年間海外留学。帰国してからホテルに就職。卒業から2年後に髪を剃って見延山久遠寺で出家。僧侶になる前の小僧修行は、掃除・茶道・書道・仏具の扱い・話法・水行。

小僧の修行を終えて、僧侶となってからも毎日修行が続いているという駒野住職。

「出家し、常在寺に戻ってくると、葬儀・法事・悩みを持った方の相談が待ち受けていた。悲しみにくれている方、悩んでいる方々に自分で何ができるのかを常に探している。仏教的な観点での言葉を求められるので少しでも気が楽になっていただけることは何かを考えている。」

毎日が修行ならば、一番印象に残っている修行を聴いてみると…

死ぬのではないかと思った過酷な修行

「冬の間に開かれる日蓮宗大荒行堂。諸先輩から辛い、大変と聞いていたが、死ぬことはないだろうと準備して入った。実際は、本当に死ぬのではないかというぐらい過酷だった。1日2食のお粥。お腹がすく。睡眠時間は2時間半。3秒黙ったら寝てしまう。暖房はない。スマホもない。テレビもない。水を被っているので、とにかく寒い。寒さが一番辛かった。意識が朦朧とする。喉から血が出る。一番辛い。」

極限状態で脱落する人もいるという。1ヶ月経過したころ、休憩時間に仲間同士で慰めや愚痴を話しているときに、一人黙って話しを聴いている同級生がいた。

「心のおきどころ」で毎日は変わる

みんなの愚痴が終わったところで一言。「でもね、ただしょうがない。自分の意志で入ったんだし、自分の責任。この生活の中で生きていくしかないんだから、これが普通の生活。全く食べられない訳でもないし、寝るところもあるし、普通だと思って生活すればいいんですよ。」

その言葉に対し、駒野住職は、

「その時は、素晴らしいと思えなかった。未熟ですし、外の世界と比べる自分がいた。なぜ、彼はあの極限状態であの言葉を言えたのか。同じ人間なのに。」

大荒行を終え、のちに日蓮宗の妙法蓮華経を学び、気づかされたと言う。

今生かされている自分が持っているのは何か。そこに目を向けて

「妙法蓮華経の最後の言葉に少欲知足という言葉があります。自分が不平不満を感じる時、自分より豊かな環境や人と比べてしまう。そうではなく、今生かされている自分が持っているのは何か。そこに目を向けましょう。という意味です。大荒行の極限状態でも2食は食べさせてもらえる、寝かせてもらえた。それに気がつきました」

ないものにフォーカスするか。あるものにフォーカスするか。

「どういう心のフィルターで物事を見るかで幸福度が変わる。ものすごく変わる。それを教わったなと」

駒野住職は、「心の在り方」を自分自身に問い、迷える心に寄り添って歩んでいく僧侶であると確信した瞬間であった。

インド哲学 ちょっとウンチク👆

インドの聖典「ウパニシャッド」の中に
“心を自由に扱う力・シャマ”について書かれています。

怒りや悲しみ、憎しみ、嫉妬、執着、劣等感などネガティブな感情が湧き上がった時
それを否定せず、うまく心から排除する力を養いましょう。というもの。

御住職のお話の中にあった“心のおきどころ”の話と通ずるものだと思います。
「この状況嫌だな〜」と思った時、
その嫌だ!と思う心を排除するため、視点を変えてみる
「この状況が普通だと思って過ごせば、嫌にならず心が楽になる」
今自分が持っているものを幸せに思う。というのも一つの方法。これが御住職の経験ですね。

ネガティブ心を排除する方法はその他にも、ひたすら運動をする、山に登って大声で叫ぶ、歌を唄う、嫌なこと日記を書いてその紙をやぶるなどなどでもOK!

でもそこにルールが一つ!
自分の心は自分で整理し、他人を巻き込み、迷惑をかけないこと

皆さん、心を自由に扱えるのは自分自身です。上手に心を整理して日々爽快に過ごしましょう💖

やさしく学ぶ YOGA哲学 ウパニシャッド

やさしく学ぶYOGA哲学 ウパニシャッド

向井田みお

「★世界一やさしく、わかりやすい 『ウパニシャッド』哲学の翻訳
★サンスクリット語原文、一語ごとの意味訳あり
日本語として読める!
ストーリーを終える!
インド哲学の神髄がつかめる!

インド哲学のメソッドで”整える”心と身体の健康

パーソナルカウンセリング
アーユルヴェーダ 体質別 食事バランス調整・生活習慣アドバイス
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