News / Works
教えて住職!!心と体の塩梅
教えて住職!!心と体の塩梅
Wellness Life Channelの新企画「学びの種」は、様々な方にインタビューを行い、「生活を快適にする知恵と知識」をお伝えしていく企画。
第1弾のインタビューは、寶樹山 常在寺 駒野教晴住職
1506年室町時代から続く由緒あるお寺の第36代 駒野教晴住職。悩みや苦しみの渦中にいる人々の心の奥深くに救いの言葉を届けることができるかを模索し続ける若き僧侶から“心身ともに健康で穏やかに生きる方法”をみなさんにお伝えしていくシリーズ。
「心と体を偏らずにケアして生きて行きましょう」
駒野住職はお釈迦様が説いた人間が生きている上で避けては通れない、根源的な苦を私たちに起きうる身近な辛い状況に置き換えて、心も体も両方ケアをする大切さを語ってくれた。
心と体は表裏一体
前回、駒野住職から「心のあり様で幸福度が変わる」ことを過酷な体験談から話してもらった。
(前回の動画はこちら)
そこで、心と体は関連しているのかと問いてみたところ、
「心が乱れてストレスを抱えていれば体に不調が現れます。体の不調があると心も病んでいってしまう場合もあり、表裏一体、切っては切れない関連性の強いものです」
と和かに話し始める。
どんな時に心が乱れるのか?乱れた時はどのようにバランスを取ればいいのかを尋ねてみると・・・
「仏教は日頃心を穏やかにするにはどうすればいいのかが説かれています。日常を生きていると楽しいことばかりでなく予期せぬことも起きます。苦労、苦しみを経験する。苦しみについて、四苦八苦という言葉があります。」
避けられない四苦
「四苦八苦は仏教用語です。4つないし8つの苦しみが決められています。
まず、人生の中でとても大きな苦しみとして、四苦“生老病死(しょうりょうびょうし)”」
生まれて老いて病にかかって死を迎える。至極普通のように思えた。
「生(しょう)は、生まれる場所は選べない苦しみ。生まれたところでその先の人生を生きていくしかない」
虚をつかれた。スタート地点を選択できないことが苦しみとは思わなかった。住職の話しは続く。
「老いは止められない、重い病にかかってしまう、必ず人間はなくなる。どんなに長く生きたいと思っても必ず死はやってくるという苦しみ」と。
四苦に加えて八苦
「欲しいものが手に入らない苦。物が手に入らないだけでなく好きな人と結ばれない苦もある。」
「常に、自分の体が健康であり心が穏やかに保ち続けたいが難しい。心身を100%自分でコントロールはできないですよ。」
「学校や職場、家族関係で苦手な人、嫌いな人が存在する苦。大なり小なりの人間関係の苦しみはあります。苦手な人はいる。ご家族だからこそ難しいこともあります。」
「どんなに愛する人でもいずれは別れなければならない。相手方の死。自分が先にこの世を去ることもあります。」
避けようのない苦しみに揺れる心
「八つの苦しみで我々の心は揺れ動くし、仏教では避けようがない苦しみ。いずれはそういうことが起きるとわかってはいるのに、あたふたしてしまい、苦しんでしまいます。」
人は同じことを繰り返してしまう。なかなか難しいことである。
「みんなそうですよ。そなえは大事だけど、なんでもかんでもそういったことに常に心がけているのは難しい。なんだけど、お釈迦様も元々王族の身に生まれながらも、四苦八苦している城下町の人々を見て、それに備えることができないのかという疑問から出家し悟られて仏教を残していかれました。」
駒野住職は、「心の健康が損なわれればフィジカル的な健康も影響する。いくら心のことばかり考えても体が悪ければ心が蝕まれていく。そこで、仏教は、心と体のバランスを取ることを中道という教えがあり、シンプルにいうと偏らないということです。」と言う。
心と体のバランスを偏らずにとる
「例えば、モデルさんは容姿に気を配らないといけない。あまりに体のケアばかりして心のケアを怠る。過度なダイエットは仕事に沿った容姿になってもそれによってストレスを抱えていれば、心のバランスを崩してしまいツケが回ってきます。心のケアも大事です。」
心も体も両方ケアをして偏らずに真ん中の道を行く、ほどよく過ごして行きましょうと駒野住職の笑顔と話法は、四苦八苦の苦行に一筋の光のように見えた。
インド哲学 ちょっとウンチク👆
今回は御住職に 体調に多大な影響を与える 四苦八苦のお話、そしてすべてにおいて偏らない、バランスが大切という「中道」のお話をしていただきました。
インドの聖典「ヨーガスートラ」にも、 “悩み”の種とその乗り越え方について書かれています。
悩みの種5つは
1.宇宙から見た自分という存在について知らない、無知という苦悩
2.自分なりのこだわりが強い
3.欲望・執着
4.嫌いという感情・憎しみ
5.死など失うものへの恐れ
そして悩みの段階もあります
1.悩みの真っ只中。表に苦悩として現れている状態
2.悩みがあるが、制限があって表に出せない状態
3.悩みを自分の意志で抑えている状態
4.悩みを解消しつつある状態
5.悩みがなくなった状態
悩み解消方法
・自分が元気になれる、テンションが上がるような映像を見て感動する、歌を聴いたり歌ったりする、楽しいと思う学びをする
・規律正しい生活をする 早起きをして掃除をして、美味しいものを食べて、よく寝る
・自然の中に身を置くか、大きな存在(太陽や月、空、神社仏閣など)に悩みを打ち明け、
ゆだねる気持ちで祈る
参考になりましたか?
ちなみに私のお悩み解消法は、「間違いなく感動する」という映画を自宅で一人でみて、感動の大号泣をする、です。立て続けに3本観ると、心はスッキリ。あとはよく寝る。笑笑
インド哲学のメソッドで”整える”心と身体の健康