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更年期症状 汗について

「暑いときやスポーツ後やサウナ時ではないのに、大量の汗をかいてしまう時がある」など、滝のような汗や止まらない汗に、通常の生理現象とは異なる状態で不安を持つ女性は多くいます。この症状も、更年期によるものの一つとしてよく挙げられます。汗をかいてしまう原因や適切な対策を知ることで、日々の生活をできるだけ快適に過ごせるよう、ヒントを見つけてください!

更年期は汗や体温調節のトラブルが多いと言われ、大量の汗をかくこともありますが、多汗症や体質の汗っかきとは異なります。更年期発汗は、いきなり症状が現れることが多いと言われています。個人差はあるものの、ストレスや緊張が高まったときや感情が高ぶったときに、特に汗が止まらなくなる💦傾向があります。

このような更年期にのぼせやほてりを感じたり、急にカッと体が熱くなったり🥵、汗が止まらないという症状・不調は、このコラムでも以前取り上げた、更年期に起こりやすい“ホットフラッシュ”が伴っていることが考えられます。ホットフラッシュは昼間だけでなく夜間も起こるため、「寝汗がひどい」「汗がひどくて目が覚めてしまう」といった症状につながるケースも。これは、実はこの時期の年齢の人だけに起こるのではなく、緊張やストレス⚡️などによって自律神経の乱れることが引き金となって起こる場合もあります。きちんと睡眠できていない、食習慣に偏りがあるなど🥗、生活リズムが乱れている人はそれが大きく関わっている可能性があるのです。

更年期症状 汗をかく原因

更年期の発汗は、女性ホルモンの「エストロゲン」の分泌量が急激に減少することが主な原因とされています。閉経を迎える前の女性の体内では、女性ホルモンのエストロゲンと脳内物質ニューロキニンB(NKB)🧠がバランスを取りながら、脳の体温調節中枢を制御しています。閉経に向け卵巣機能が低下すると、エストロゲンの分泌量が激減。これによりバランスが崩れ、ホットフラッシュを引き起こします。

更年期の発汗は、顔から始まり、頭部や首まわり、胸などを中心に汗をかくことが特徴とされています。手足は冷えていたり🥶、涼しいと感じられるのに、顔や胸からだけ汗が流れ落ちるようなことも。ホットフラッシュは自律神経系の収縮神経と拡張神経の不調により引き起こされるので「血管運動神経症状(血管運動神経系障害)」と呼ばれますが、寝汗や動悸、息切れ、むくみといった症状も血管運動神経系の症状のため、ホットフラッシュ時にあわせて汗をかくと考えられています。

汗は基本的に体温調節のために出るものであり、運動時🏃‍♀️の汗はサラサラとしていることが多く、一方で更年期の発汗には「精神性発汗(緊張や驚いたときに出る汗)」が見られ、この汗はニオイを伴うことが多いといわれています。個人差があるものの、更年期の発汗は汗の濃度が高く、不純物を多く含むベタベタ汗をかきやすいとされています。サラサラ汗に比べると、ベタベタ汗は臭いが強い傾向に。40代後半~50代前半はミドル脂臭と呼ばれる、古い油のようなニオイの体臭が強くなるといわれ、ホットフラッシュによる汗にはミドル脂臭の原因となる「乳酸」が含まれているため、汗かきとともに自分の体臭が悩みになってしまう人もいます。汗が止まらない不調には、さまざまな原因が考えられ、原因が一つの場合もあれば、複合的な状況が絡んでいることもあります。体内のうるおいが不足している状態は、肌や髪が乾燥したり、空咳が出たり、眠れなくなったり、ほてりが生じたりします。また手や足が熱く感じて、寝汗や多汗が気になることで控えようとしてしまう人もいますが、むしろこれらの症状が出るほど水分💧は必要になります。水分を補給するだけでなく、食事🍚などからもうるおいを高めるライフスタイルを心がけることが大切にしましょう。

更年期症状 汗をかく 簡単にできる対処方法

アーユルヴェーダ的には、この更年期の通常より「汗をかく」ことについては、ドーシャで説明するのはなかなか難しいです。更年期全体の症状は自律神経の乱れによって起こるので、それはワータ(動く・不安定)なエネルギーの乱れでしょう。

さらに体の火照りや暑さを感じて汗が出れば、ピッタ(火のエネルギー)の上昇かもしれませんが、前述したように、足だけ冷たい、顔だけ熱い、または暑さは感じないのに汗が出る、という場合は、ワータやピッタの複合的な乱れもあるでしょう。

このような複雑なドーシャの乱れでは、まずワータのバランスを整えることを優先させると良いと思います(個人的見解)落ち着いて行動する、休むことができればなるべく休憩😮‍💨を取る、深呼吸をする、ヨガのポーズ
屍のポーズ(シャバアーサナ)をして呼吸を整える、瞑想🧘をする。などが、簡単ですがまずはワータを鎮静させる有効な方法といえます。

その他には、汗をかいた時に備え、汗取りパッドがついているものや吸水速乾素材など機能性インナーの着用や脱ぎ着しやすい服装にする、上着ではなくスカーフやストールを活用するなどは良いでしょう。服の中に熱がこもると汗が引きにくくなってしまうのと、脱ぎ着しやすい服やスカーフなどの活用は、温度調節がしやすくなるので快適に過ごしやすくなります。あわせて、吸水性の高い厚手のタオルを持っておくと、外出先で急に汗が出たときもすぐ対処できます。冷感スプレー、汗拭きシート、ハンディ扇風機など暑さ対策・汗対策グッズを持ち歩くのもおすすめです。

そして、症状が起こると気持ちが焦りがちですが、それによりさらに汗が出てしまうこともあるので、極力リラックスを心がけると良いでしょう。焦りが出そうな時は、深呼吸したり、汗を止めるのに期待できるツボを押さえてみるのも有効です。大包(だいほう)という、みぞおちの真横、脇から真下に降ろした第6肋骨の下あたりのツボ、屋翳(おくえい)というバストトップと鎖骨を結んだ中間地点、第2肋骨と第3肋骨の間にあるツボがあります。腕を組むようにして、中指で大包を、親指で屋翳を同時に2分ほど、イタ気持ちいいくらいの強さで押すのがコツです👍

また、汗が出たときの日時や状況を記録しておくと、ホットフラッシュが起こることの多い状況や状態をある程度予測できるようになります。状況がわかると自分でも対処しやすくなるため「汗が出てきたらどうしよう」という不安や焦りを軽減でき、また万が一医師に相談する際にも説明がスムーズにできるため、症状が出たらメモする習慣をつけることもおすすめです。

まずは生活スタイルを見直そう!

更年期に起きる大量の発汗や寝汗、のぼせ、ほてりなどは漢方薬、ホルモン補充療法、心理療法(カウンセリング)などの対処法もありますが、何かの病気が原因で発汗につながっている可能性も考えられます。エストロゲンは女性の体を守るホルモンであり、更年期でエストロゲンが激減するとあらゆる病気リスクが高まることも忘れてはなりません。自己判断で更年期と断定し、放置するのはやめて、気になる症状があれば早めに病院を受診することも大切です。それ以前に普段の生活から改善できることは、まずやってみましょう!

◆自律神経の働きを整えるためにも、規則正しい生活を心掛ける

◆自律神経が乱れると胃腸が影響を受けるため食事を工夫し、刺激物は避ける

◆ストレスのある環境下ではタンパク質・カルシウムが消費されるため、これらを積極的に摂取する

◆少し汗を感じるくらいの運動や筋トレは、ストレス発散にも効果的で、運動不足や肥満はホットフラッシュなどの血管運動神経症状のリスクを高めるため、適度な運動を習慣化する

◆リラックスすることで体を休める副交感神経が優位になり、自律神経を整える効果が期待できるので、暑いからとシャワーで済ませずゆっくり湯船に浸かるようにする

◆タバコに含まれるニコチンには交感神経の働きを活発にさせる働きがあり多汗の原因になり、また自律神経を乱し不眠や睡眠障害の原因にもなるため禁煙を心がける

体の変わり目、落ち着いて今まで頑張ってきた自分を褒めてあげましょう💖
更年期は人生の半分を生きてきた休息期間😊✨

arkakiranah アーユルヴェーダセラピストMaki