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教えて住職!!適量彩食

教えて住職!!適量彩食

Wellness Life Channelの新企画「学びの種」は、様々な方にインタビューを行い、「生活を快適にする知恵と知識」をお伝えしていく企画。

インタビューは、寶樹山 常在寺 駒野教晴住職

東京都世田谷区の閑静な住宅街にある寶樹山 常在寺。

1506年室町時代から続く由緒あるお寺の第36代 駒野教晴住職。悩みや苦しみの渦中にいる人々の心の奥深くに救いの言葉を届けることができるかを模索し続ける若き僧侶から“心身ともに健康で穏やかに生きる方法”をみなさんにお伝えしていくシリーズ。

「食欲の“欲”は、“記憶の量”or“今の必要量” 自分の体の声を聴く」

駒野住職は体の声を聴いて、生きるために自分自身にとって必要な食事の量をコントロールすることが大事であると語ってくれた。

感謝していただくことの大切さ

第2回では、駒野住職から「心と体のバランスを偏らずにとることの大切さ」中道について語ってもらった。
ふと、我々一般人と、出家して仏道を修行する僧侶と、肉体的健康の在り方に違いがあるのか聴いてみたくなり、食事や食材の制限があるのか素朴な疑問をぶつけてみた。

「基本的には食事制限はないです」と話し始める。「僧侶ですから、修行場では、お肉とかお魚は出てこない。いただかないという制限はあります」

「修行場で制限がありますが、やはり、お肉とかお魚とか食べたくなります。最初の修行場、日蓮宗総本山での、35日間の道場では、食堂の方々が気を配ってくれて。大豆ミートってありますよね?

豆なんですけど、食感はお肉ぽくって。そういったのを出してもらったことはあります」と気さくな人柄があふれ出るエピソードから始まった。

制限がなく食事をしているということだが、これだけは食べてはいけないものはあるのか?

「食べてはいけないものは基本的にないです。食べてはいけないものよりもどういった気持ちで食事をいただくかが大事

特にコロナの蔓延で今は普段の生活にだんだんと戻りつつありますけど、(新型コロナが)出始めの時は、スーパーに行っても食材がない。買いだめをして一時期大変な時期があり、そういうことが起きると普段3食ご飯がいただける、好きな時に好きなものを食べられることがいかにありがたいことか、わかるんじゃないかな」

(野球少年の食欲=身体の欲求)≠(32歳の食欲=記憶の欲求)

現在、駒野住職は32歳。小中高は、野球少年だった。

「高校の時は夕食にご飯2合ぐらい食べていました。多い時は、3合ぐらい。しばらく、感覚として自分の中に残っていて、食べないとお腹がいっぱいにならない。(高校生の時は)あの食事量を消費してなお細身でいられるぐらいの運動量をしていた」

「だからそれだけ食べても大丈夫でしたけど、今、それと同じことをしたら当然太ってしまう。でも、やはり、ご飯を食べにいくと“大盛り無料”とかあるじゃないですが、そうすると(大盛りに)したくなります」

2〜3合食べていたときから、お膳1杯にするのは段階を踏んでいったのか?

「今でも、食べる前はどんぶりいっぱいご飯を入れたい感覚はある。でも、いざ(お茶碗)1膳食べてしまうと、お腹がいっぱいになる。だから、頭で欲している量と体で欲している量は違うんです。」 「体はお膳1杯と、この量でいいと思っているのに、頭では過去の食事量とか記憶にあるから、絶対これでは足りないだろうと思って大盛りにしよう、いっぱい食べようとなります。そこは、やはり、気をつける。体で欲している量は生きる上で必要な量。それをやはり見極める。自分で判断して、昨日食べ過ぎたら今日は控えようとか運動しようとか自分でコントロールしていくのが大事かな。」

体が欲しているのと頭が欲しているのと切り分ける

「余談ですが」と前置きされて、日蓮宗での大荒行堂の話に。(詳細は第1弾“心のありようで幸福度が変わる“)

「基本的にご飯がいただけるのが1日2回。朝5時、夕方5時にお粥とみそ汁だけ。これを100日間。常にお腹が空いている状態。修行場の中で先輩の言ったことを忘れないで書いたりするメモ帳を持って入るのですが、途中から食べ物リストになる。」

修行が終わりとにかく寒かったので、しゃぶしゃぶを食べに行き、結果、体を壊したようだ。

「動物性をとっていなかったので一気にとってしまったから。徐々にお粥生活を続けつつ、リハビリ生活をしないといけないのに、(しゃぶしゃぶを)食べてしまったので体を壊してしまった。体が欲しているのと頭が欲しているのと切り分けて考えないといけなかった。」

適切な食事量について、体が欲しているのと、脳が欲しているのを見極める。さらに、適切な食事量は、食品ロス削減への取り組みにも通じるのではなかろうか。

SDGsターゲット12.3「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の1人あたりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる」

日本の食料自給率は低く、多くの食べ物は海外からの輸入に頼っている。しかしながら、多くの食品ロスを生み出しているという矛盾。自分の体と頭を一致させて、3年後、5年後、7年後・・・7世代先の地球までを想像し、心と体と地球に良い食事をすると自分に誓った。

今回は御住職に どのように食事をいただくのが良いか、食事の量など「食」についてのお話をしていただきました。
動画内でもアーユルヴェーダ的食事の仕方を一つ「おなかがぐーっとなったら食べる」ということをご紹介しておりますが、
その他のインド哲学から派生したアーユルヴェーダ の正しい食事の仕方ウンチクをお伝えしましょう!

正しい食事をすると、オージャス(活力素)が高まりアーマ(未消化物)がたまりにくくなります。
アーマが減少してくると、心や体に軽さが取り戻されていきます。すると、心や体からストレスが解放され心地良く快適な状態となるのです。

<アーユルヴェーダ的 正しい食事の方法>

1. 必ず座って落ち着いて食べる
2. 「いただきます」「ごちそうさま」感謝の気持ちと言葉を唱える
3. 前の食事がきちんと消化され、お腹が空いてから食べる
4. 同じくらいの時間帯に規則的に食べる
5. 食べる速度は早すぎず、遅すぎず、よく噛んで(20~30回程度)食べ、腹八分目で終了する
6. 食後はすぐ動かず、5分は静かに座ったままで消化をさせる
7. 食事の量は、昼食を主にし、朝食と夕食は軽めにする
8. 食事は出来たての温かいものを、作った人の愛情を感じながら食べる
9. 食事の際、冷たい飲み物は避ける。白湯がベスト
*10.  食べる順序は 油もの・甘いもの→辛い・酸っぱいもの→苦い・渋いもの
11.  食べ合わせに注意する
12.  就寝2時間前には食事を終わらせる

 *10 に関しては、健康管理を考える上では諸説あります。これは、持病などのない健康な人が消化を考える上での順序です。

当たり前なことだよね〜と思う項目も多いと思いますが、この機会に、あらためて食事の仕方を考えてみてはいかがでしょうか。

インド哲学のメソッドで”整える”心と身体の健康

パーソナルカウンセリング
アーユルヴェーダ 体質別 食事バランス調整・生活習慣アドバイス
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